東京からポルトガルまで鉄道・バスで移動すると、時間とお金はどれくらい必要なのか?
これはGIGAZINEの記事『鉄道だけでポルトガルからベトナムまで1万7000km移動すると、時間とお金はどれくらい必要なのか?』のインスパイア系記事であり、私が過去2回にわけて東京の東京駅からポルトガルにあるユーラシア大陸最西端であるロカ岬まで陸路および海路で移動した際の記録を掘り起こしたものです。これらの旅は沢木耕太郎の深夜特急が下敷きになっており、深夜特急がインドのデリーからロンドンであることに対して純粋に日本の東京からユーラシア最先端のカスカイス・ロカ岬までの旅游となっております。沢木氏のいう酔狂さを踏襲しつつ真にユーラシア大陸という単位を旅で捉えようという目論みがありました。GIGAZINEの記事は個人的に興味深かったのですが、ネット上では『なぜ終点がベトナムなのか』、『移動の大半がシベリア鉄道』などと指摘が散見されました。鉄道に乗り続けるというコンセプトではありませんが、元記事にユーラシア横断と記載があるのでユーラシア大陸横断の異なるルートの1つとして数字をはじき出してみました。
旅の参考とした深夜特急はインドのデリーからロンドンまでの陸路移動であり、ユーラシア大陸を全て陸路で横断した場合の金額は不明であること、対象記事のようにシベリア鉄道を利用した場合の金額や所要時間はバリエーションが少なくある程度見積もることが容易なこと、また旅ブロガーの方のユーラシア横断では陸路移動がエリアごとに細切れであったり飛行機の利用が多い場合もあることから、ユーラシアという単位で移動費用がまとまっていることに多少なりとも意味があると考えました。またユーラシア大陸横断のルートは数種考えられますが、この行程は深夜特急がモデルで現在非推奨とされる東南アジア・インド経由ルート(南ルート)に近いものとなっています。また自由に旅行することができる世界が戻ってくることを願って。
移動金額について
鉄道やバス、旅客船の切符は保管していたものがあり記録は実際の切符の情報を元に計上していきます。また一部の情報は手帳にある記載を頼りにします(携帯電話・スマートフォン持っていなかったもので)。もし辿った経路の切符および手帳への記録がなかった場合にはネット上で調査した価格を記載していきます。記録のあったものについてはインフレや実質価格は考慮せずに当時の現地価格をそのまま採用します。その現地価格に現在の日本円のレートを掛け合わせ日本円での現在価格として最終的に算出します。したがって2020年現在までの諸国のインフレ率や当時の為替レートというものは考慮されておりません。ネットで調べた価格はすべて2020年現在の価格なので、少しいびつな価格算出となっていることはご注意ください。
移動金額を算出する意味
複数国を跨ぐ長期の旅行においては旅資金を把握しコントロールできることが望ましいです。バックパッカーは地域別にバジェット計算することが多く、東南アジアで1日20ドル、東欧であれば1日40ドルなどなど各地域の周遊日数×1日あたりバジェットで旅費を試算することができます。その計算の際にネックとなるのが移動費用です。市内観光における移動費は少額でバジェット内へと含めることが可能ですが、街と街の移動や国を跨ぐ移動は不定期な支出かつ高額なことが多く、日次のバジェットへ含めることを致しません。したがって移動の時間と費用にある程度の目安があることは旅程と旅費を試算する上では有用です。ヒッチハイカーやバイカーの旅行者も数多くいますが、この旅では公共の乗り物や一般的に現地の方が利用する乗り物しか使っておりません。
留意点
- 経由した都市を最短で結ぶルートに所要した費用のみを計上します
例として、中国国内は丹東、北京、上海、広州、桂林、大理、昆明、深圳、南寧、成都、チベット(ラサ、シガツェ、ティンリ)など周遊しておりますが、中国北部からベトナムへ抜けた丹東→北京→上海→南寧およびラオスからネパールへ抜けた昆明→成都→チベット→カトマンズという風にしか費用計上致しません。経由した都市はすべて滞在・宿泊した都市です。
- 経由した都市間に複数の移動手段がある場合は費用を合計します
- 乗り物については鉄道・バスだけでなく船・リクシャなども含みます
- 同都市内での移動は含みません(同市内の鉄道駅からバス停への移動)
- 短距離の移動で少額なものは費用が含まれていない可能性があります
当初、アムリトサルからラホールと抜けてパキスタンからイランへ行く計画をしていました。この行程が難しかったため、ムンバイからドバイへ飛行機で移動してシャルジャ港からイランのバンダレ・アッバースへ船で渡っています。ここではムンバイからドバイ間の飛行機代を含みません。
福岡から釜山、ソウルのインチョン港から中国丹東、ドバイのシャルジャ港からイランのバンダレ・アッバース、トルコのボドラムからギリシャのアテネ(ピレウス港)、およびクロアチアのスプリトからイタリアのアンコナは海路での移動です。海路での移動はその費用を計上していきます。
ルート
東南アジア・インド経由ルート(南ルート)の類型です。
東京(日本)~福岡(日本)~釜山(韓国)~ソウル(韓国)~丹東(中国)~北京(中国)~上海(中国)~南寧(中国)~ハノイ(ベトナム)~ホーチミン(ベトナム)~プノンペン(カンボジア)~バンコク(タイ)~ビエンチャン(ラオス)~昆明(中国)~成都(中国)~ラサ(チベット)~カトマンズ(ネパール)~ポカラ(ネパール)~ルンビニ(ネパール)~ゴラクプル(インド)~パトナ(インド)~ブッダガヤ(インド)~カルカッタ(インド)~バラナシ(インド)~アーグラ(インド)~デリー(インド)~ムンバイ(インド)~ドバイ(UAE)~バンダレ・アッバース(イラン)~ヤズド(イラン)~イスファハン(イラン)~シーラーズ(イラン)~テヘラン(イラン)~ラシュト(イラン)~タブリーズ(イラン)~エレバン(アルメニア)~ティビリシ(ジョージア)~バトゥミ(ジョージア)~トラブゾン(トルコ)~アンカラ(トルコ)~カッパドキア(トルコ)~イスタンブール(トルコ)~セルチュク(トルコ)~ボドラム(トルコ)~アテネ(ギリシャ)~テッサロニキ(ギリシャ)~ティラナ(アルバニア)~スコピエ(マケドニア)~プリシュティナ(コソボ)~ベオグラード(セルビア)~サラエボ(ボスニア・ヘルツェゴヴィナ)~ドブロブニク(クロアチア)~スプリト(クロアチア)~アンコナ(イタリア)~ローマ(イタリア)~ジェノバ(イタリア)~ベルン(スイス)~ストラスブール(フランス)~パリ(フランス)~ディジョン(フランス)~モンペリエ(フランス)~バルセロナ(スペイン)~ビルバオ(スペイン)~サンティアゴ・デ・コンポステラ(スペイン)~ポルト(ポルトガル)~リスボン(ポルトガル)~カスカイス(ポルトガル)
合計時間と金額
旅行の行程で記載している各区間の合計です。金額については各区間ごとに計算し日本円に換算してあります。
合計時間: 627時間40分、日数にして26日ほど
合計金額: 318,151円
なんと元ネタと合計金額はそれほど変わりないようです。ロシア・シベリアルートの方が圧倒的に安いはずと思っていたのでこれは意外な結果です。移動時間だけだとこちらも思っていたほどはかかっていない印象。ただし旅にかかった総時間という意味では1年以上かかっています。
1万7000kmの移動にかかる時間は合計327時間、13日半ほどです。費用は2000ドル(約21万2000円)ほどですが、ファーストクラスを利用すると3400ドル(約36万円)ほどかかる見込みとなっています。
旅行の行程
各区間ごとの移動における金額と所要時間です。ルートの順番通りに各都市間の移動手段とその金額、所要時間を記載していきます。切符が残っていたり手帳に記録がある場合にはその生情報を優先します。旅行中に写真を撮る派ではないですが少しあったのでついでに掲載しています。
東京(日本)~福岡(日本)23,390円/5時間
新幹線での移動、福岡の博多に宿泊したとの記録あり。約5時間の乗車時間。
福岡(日本)~釜山(韓国)16,000円/3時間
ここは安定のビートルで移動。
釜山(韓国)~ソウル(韓国)5,382円/2時間30分
釜山で1泊してからソウルへ。KTXで移動したと記録あり。当時の価格が同じか分からないが現在は59,800 KRWとのこと。1 KRW = 0.09として5,382円。
ソウル(韓国)~丹東(中国)11,214円/15時間
仁川旅客船ターミナルから出ているフェリーで丹東へ移動。124,600 KRWで11,214円。ネットで調べたところ現在も価格はほぼ変わらず126,000 KRWとのことです。
丹東(中国)~北京(中国)2,217円/6時間
中国国内の移動は鉄道が便利である。金額が安いためたいてい硬座を選択するのだが、これが初めて地獄の硬座を体験した日であった。1 RMB = 15.5円として2,217円。硬座についてはこちらの記事に書いてあるとおり。中国旅行におけるある種のアトラクションである。
北京(中国)~上海(中国)4,387円/15時間
硬座にこりたから軟座を選択したのか。283 RMBで4,386.5円なので4,387円とする。Z-categoryの列車は夜行列車で北京-上海間は約15時間の行程。夜行列車なのだが座席を予約しているあたりはやはりバックパッカー。
上海(中国)~南寧(中国)3,565円/30時間
切符なし。30時間近く乗車していたことが記録されているのでK1556の硬座であったと思われる。約230 RMBとして3,565円。
南寧(中国)~ハノイ(ベトナム)2,821円/9時間
バスでの移動であった。平均価格182 RMBとして2,821円。
ハノイ(ベトナム)~ホーチミン(ベトナム)2,843円/33時間
ベトナムを南北に走る列車で移動。GIGAZINEの記事のルートでも分かるとおり中国からの国際列車も運行されている。618,000 VNDであった。1 VND = 0.0046円として2842.8円だが2,843円とする。
ホーチミン(ベトナム)~プノンペン(カンボジア)1,050円/6時間
バスで移動。全く記録なし、ネットによると$10程度とのこと。1,050円とする。$1 = 105円としました。
プノンペン(カンボジア)~バンコク(タイ)3,380円/13時間
プノンペン・バンコク間のバスはビザ更新のために5回ほど乗車している。おおむね1000バーツ程度。1バーツ = 3.38円として3,380円とする。カンボジアは国境で1か月のビザを取得(実質購入)することができる。パスポートを見たところ3か月ほど滞在していたことが分かった。プノンペンについては回想録を書いてある。ボンコック湖埋め立てとレイクサイドの安宿へ滞在した日々を思い出して。
バンコク(タイ)~ビエンチャン(ラオス)1,690円/11時間
ヴィエンチャンまでのバスはカオサンで手配し500バーツだった。1バーツ = 3.38円として1,690円とする。バンコクと比較すると牧歌的でゆったりとしたビエンチャンの観光は快適であった。
ビエンチャン(ラオス)~昆明(中国)9,145円/32時間
ビエンチャンからルアンパバーンへ行き観光したが、ルアンパバーンから昆明へのバスがなかったと記載がある。ビエンチャンへ引き返し、昆明行きのバスへ乗車した。記録がないがネットによると590 RMBとのこと。1 RMB = 15.5円として9,145円。乗車時間が32時間であったとメモがある。車内は中国人の出稼ぎ労働者?と思わしき人でいっぱいであった。みかんや落花生をたくさんもらったと記録がある。おのおの帰郷するのか明るい中国人たちとのバス移動はとても楽しかった。ラオス・中国の国境で撮った写真です。
昆明(中国)~成都(中国)3,820円/18時間
昆明・大理・麗江と雲南省を満喫。成都へ列車で移動。246.5 RMBだったので約3,820円。成都は肥沃な四川盆地の中央にあって、静謐にたたずむ豊かな街であった。古来養蚕業が盛んで、都は錦城とも呼ばれていたという。シルクロードを意識する上で外せない都市の1つである。
成都(中国)~ラサ(チベット)4,689円/36時間
青銅鉄道へ乗車したと記録がある。20:50に行きの列車の座席へ着いたと記載があるので以下の列車であることに間違いない。中国での列車移動はすべて硬臥か硬座しか手配していません。ラサ行きも硬臥だったので302.5 RMBで約4,689円とする。高山病へかかる乗客がちらほら。医者が列車に同乗している。
ラサ(チベット)~カトマンズ(ネパール)46,500円/60時間
外国人のチベットの自由旅行は許可されていなかったためガイド付きのツアーへ参加することが必須となった。チベット観光しそのままネパール側まで移動できるツアーを探し手配することが必要。ラサからシガツェ、ティンリと観光してカトマンズでドロップしてもらえるツアーが4名で6,000 RMBであった。つまり自分以外に3名見つかれば一人あたりは1,500 RMBという計算だが。メールを見返すと当初フランスの女性2名とメキシコの男性1名と同席し計4名の予定であったところ、フランスの女性2名のパーミット(入域許可証のことだと思われる)が降りず2名で催行したことが分かる。ガイド料金や宿泊費なども含まれてしまっているが1人分3,000 RMBでこの移動は計算する。46,500円。
12月28日から30日がラサ市内ツアー、31日にシガツェ、元旦にティンリからエベレストを見たと記録がある。元旦翌日にチベットとネパール国境の街であるザンムを経由してお昼過ぎにネパールへ到着。ざっくり60時間の移動時間とする。
カトマンズ(ネパール)~ポカラ(ネパール)630円/7時間
記録がないがツーリストバスは600~800 NPRとの情報から間を取って700 NPRとする。1 NPR = 0.9円として630円。カトマンズのパタンの写真、地震があってこれらの場所がどうなっているかは分かりません。
ルンビニ(ネパール)~ゴラクプル(インド)470円/6時間
ルンビニからネパール・インドの国境を越えるルートは旅行者にメジャーなはずだが自分のほかには誰もいなかった。ルンビニからまずはバイラク行のローカルバスへ乗車する(50 NPR)。霧が立ち込める中、埃を上げてバスは進んでいく。バイラクからインド国境行きのバスはないので、リクシャへ150 NPR支払いネパール・インドの国境へ。リクシャの老人いわく国境を越えてからゴラクプルの市街地までは80 INR/125 NPR程度だろうとのお話。ところがインド側の相乗りタクシー運転手は320 NPRとして譲らない。インドルピーも持っていないのでそのまま言い値で支払う。計520 NPRなので468円だが470円とする。朝にバイラク行きのバスへ乗車し、ゴラクプルの駅前へ着いたのが午後3時すぎと記録がある。6時間ほどの移動時間と推定。
ゴラクプル(インド)~パトナ(インド)145円/5時間
ゴラクプル駅でパトナ駅の列車はないといわれる。ハジプルへいきそこからパトナへ行けとのこと。確かにハジプルとパトナは地理的に近いようだった。インドの劣悪な鈍行でゴラクプルからハジプルへ向かう。切符代は75 IND。ハジプルからパトナはオートリクシャで25 INDであった。1 IND = 1.45円とすると145円。パトナで1泊。
パトナ(インド)~ブッダガヤ(インド)406円/3時間30分
パトナからカルカッタへ行く途中に、ナランダ、ラージギル、ガヤと経由しているのでそれらの金額を合算する。パトナで朝にナランダ行きのバスへ乗る(60 IND)、ナランダ観光してからラージギル行きバスへ(20 IND)、夕方頃ラージギルを後にしてガヤ行きのバスへ乗る(50 IND)。夜8時頃にガヤからブッダガヤ行きの3輪オートバイへ乗った(150 IND)。150 INDは痛かったが辺りが暗くなんとしてもブッダガヤまで辿り着きたかったため言い値で支払い。計280 INDなので406円。
Patna (7:00) — Nalanda (11:00–13:20) — Rajgir (13:50–18:00) — Buddagaya (21:00) とメモ書きがあるので間の移動時間は3時間30分程度。
ブッダガヤ(インド)~カルカッタ(インド)420円/5時間
ブッダガヤから3輪オートバイでガヤ駅へいく。金額の記載がないので昨夜と同じ150 INDとする。ガヤ駅からカルカッタ駅はたったの140 INDであった。290 INDなので420円。このとき乗ったインドの列車についてこのような所感が手帳に書いてあった。
インドの列車は酷い。普通車に乗ったことをすぐに後悔した。トイレ近くは糞尿にまみれ、車内はごみだらけである。裸足の子供や何の病気だか分からない多くの大人達がところせましと体を置いている。しかし耐えられないと思う状況にも人は不思議と慣れてくるものだ。5時間近く立ったままの乗車となったが、降りるころには心地よさすら感じていた。
カルカッタ(インド)~バラナシ(インド)435円/12時間30分
カルカッタからバラナシという列車はなく、正確にはHowrah JNからMughal Sarai JNへ行きそこからバラナシの市街へ行く必要があった。Howrah JNからMughal Sarai JNの列車が200 IND、Muchal Sarai Jnから市街までのリクシャで100 INDほど支払ったと記録がある。計300 INDで435円。7時に宿を出てMughal Sarai JNへ到着したのが19:35頃なので12時間30分ほどの移動時間(列車の所要時間は11時間、リクシャ分が1時間30分程度)。
バラナシ(インド)~アーグラ(インド)2,059円/17時間
タージ・マハールおよびアーグラ・フォートを観光するためにアーグラへ、バラナシからラクナウのバスが600 INDほど、ラクナウで1泊しアーグラまでがバスで820 INDだった。計1420 INDで2,059円。
アーグラ(インド)~デリー(インド)457円/3時間
バスで移動したがチケットが残っていない。ネットで調べたところ315 INDほどとのこと。計算すると456.75円となるが457円とする。所要時間はおよそ3時間。掲載したパハールガンジの写真だけでなくインドではとにかくガンジー、ガンジーである。
デリー(インド)~ムンバイ(インド)1,431円/16時間
インド初の寝台列車で移動した。チケットに記載の定刻通り16:30に出発して翌朝の8:35に到着したと記録あり。約16時間の乗車、金額は987 INDで1,431.15円だが1,431円とする。
ドバイ(UAE)~バンダレ・アッバース(イラン)7323円/13時間
フェリーチケットらしきものはあったがペルシャ語が読めないためネットで現在価格を調査した。価格は2,900,000 IRRで、1 IRR= 0.0025円とすると7323円となる。
バンダレ・アッバース(イラン)~ヤズド(イラン)~シーラーズ(イラン)~イスファハン(イラン)~テヘラン(イラン)~ラシュト(イラン)~タブリーズ(イラン)3,850円/42時間30分
イラン国内の移動はほぼバス一択となる(激安なので)。バスターミナルに集まるバス会社は運行ルートこそ異なるものの同じルートでの価格はだいたい同じである。1 EUR = 125円として計算した。
From Bandar-Abbas To Yazd: 725円/9時間30分
From Yazd To Shiraz: 625円/6時間30分
From Shiraz To Isfahan: 625円/7時間15分
From Isfahan To Tehran: 625円/6時間
From Tehran To Rasht: 625円/5時間
From Rasht To Tabriz: 625円/8時間15分
小計 3,850円/42時間30分
タブリーズ(イラン)~エレバン(アルメニア)8,750円/11時間30分
タブリーズでブルーモスクへ立ち寄ってから国境超えの方法を探し始める。とりあえず道すがら人に聞くとマランデという所まで行き、そこで国境付近の街であるジョルファ(Jolfa)行きの乗り合いバスかタクシーを捕まえるしかないという。お昼すぎにマランデの中心へ到着。ジョルファ行きの乗り合いタクシーは見つかったが乗客が集まらないためになかなか出発しない(乗客が4人いない場合は出発できないシステム)。
乗客が集まりマランデからジョルファへ。そこからイミグレーションへ行き徒歩で国境を渡るまで4時間ほどかかった模様。アラス川を渡りアルメニア側へ着いたときには19:00を回りあたりは真っ暗であったと記録がある。タクシー運転手へ最寄りの街の安宿へ案内してもらうようお願いをした。メグリ(Meghri)までなら8ユーロだったがメグリの宿はいっぱいで宿泊ができなかった。そこで思い切ってエレバンまで直行を依頼した。
国境からエレバンまで個人タクシーで70ユーロ、車は完全に日本車で日本語のカーナビを装備していた。エレバンへは2:30頃に到着。カーナビが壊れているらしく、エレバンへ着いたら修理方法を連絡してくれと電話番号を渡される。後日ネットで調べたがよくわからずメーカーの問い合わせ先をリダの家の電話から連絡した。アルメニアではエチミアジン、ホルヴィラップ、ゲハルト修道院などを観光。セバン湖はアルメニアの一家に連れていってもらい教会で礼拝してから食事と音楽を楽しんだとある。
エレバン(アルメニア)~ティビリシ(ジョージア)1,786円/10時間20分
夜行列車でエレバンからティビリシへ移動。深夜にたたき起こされて国境超えを車中で行う。軍服のようなものを来た係員が入ってきたときには何が起こったのか分からなかった。列車の座席を利用してのイミグレーション作業である。21時30分から8時50分の深夜運行スケジュールは変わっていない模様。金額は8,120 AMDであった。1 AMD = 0.22円として1,786.4円だが1,786円とする。
ティビリシ(ジョージア)~バトゥミ(ジョージア)691円/5時間
9時過ぎにバトゥミ行きのマルシェへ乗車。金額は20 GEL。5時間ほどマルシェに揺られていると山あいから抜け海の香りがしたとある。黒海という名前と裏腹に青い色、というより碧く青く澄んだ海。海辺のレストランではウォッカを飲みながら談笑する老夫婦の姿がある。おもわずレストランへ入って食べるビーフストロガノフ風の料理が美味しかった。1 GEL = 34.55円として691円。
バトゥミ(ジョージア)~トラブゾン(トルコ)~アンカラ(トルコ)~カッパドキア(トルコ)~イスタンブール(トルコ)~ボドラム(トルコ)8,191円/31時間30分
バトゥミからトラブゾンおよびトルコ国内の移動はバスで行った。トルコでは各町には大きなバスターミナルがあり、集まるバス会社は運行ルートこそ異なるものの同じルートの価格はほぼ同じである。バスチケットが残っていなかったので価格はネットの価格を参考にした。バトゥミからトラブゾンのみグルジア語のマルシェの切符が残っている(20 GEL)。
From Batumi To Trabzon: 691円/3時間30分
From Trabzon To Ankara: 1,500円/12時間30分
From Ankara To Cappadokia: 900円/4時間
From Cappadokia To Istanbul: 2,000円/9時間30分
From Istanbul To Selcuk: 2,100円/8時間
From Selcuk To Bodrum: 1,000円/4時間
小計 8,191円/31時間30分
ボドラム(トルコ)~アテネ(ギリシャ)27,500円/11時間50分
トルコとギリシャのアテネ(ピレウス港)を結ぶ直行のフェリーは存在しない。従ってトルコ沿岸の港町からギリシャの島へ行きフェリーを乗り換える必要がある。ピレウスへ行く場合はヒオス島、コス島、サモス島などが中継島の候補となる。ボドラムからコス島へ行き、ピレウス港までフェリーを利用した。途中で観光を挟みたい場合には、クレタ島やサントリーニへ寄ってもよいと思う。1 EUR = 125円として計算。
From Bodrum to Kos: 2,500円/3時間
From Kos to Piraeus: 25,000円/8時間50分
小計 27,500円/11時間50分
アテネ(ギリシャ)~テッサロニキ(ギリシャ)2,538円/5時間40分
学園都市であるテッサロニキへ。列車で移動して20.3 EURなので2,537.5円だが2,538円とする。10:18発で16:00頃に到着したと記録あり。移動時間はおおむね5時間40分。ユーロ圏内に入ってから物価上昇を体感したのか購入した物品の記録が出始める。例えばテッサロニキではクロワッサンが0.9 EUR、ピザが1.9 EUR、コーヒーが1.0 EURであった。
テッサロニキ(ギリシャ)~ティラナ(アルバニア)3,750円/7時間30分
Albanian Expressというバスへ乗ってアルバニアの首都であるティラナへ。バス代は30 EURと記録がある。バス代は3,750円。アルバニア国内には自国通貨であるアルバニアレク(1 AKK = 1.01円)がある。エスプレッソが50 AKK、ハンバーガーは100 AKKであった。Freddyという15 EURのゲストハウスへ宿泊した。
ティラナ(アルバニア)~スコピエ(マケドニア)2,500円/9時間
マケドニアから東欧の旧ユーゴスラビア連邦の国々へ突入した。ティラナからスコピエへのバスは20 EURとあるので2,500円とする。マケドニアも自国通貨であるマケドニアディナールを使うことになる(1 MKD = 2.03円)。エスプレッソが80 MKD、ハンバーガーは140 MKDと記録がある。ドミトリーは1泊7 EURだった。
スコピエ(マケドニア)~プリシュティナ(コソボ)650円/2時間
スコピエ、オフリドを観光してコソボのプリシュティナへ。朝9時のバスで320 MKDであった。1 MKD = 2.03円として649.6円だが650円とする。コソボはユーロがそのまま使えた。プリズレン行きのバスが4 EUR、ミトロヴィッツァ行きは1.5 EURと記録がある。カフェラテが1 EUR、ハンバーガーが約3 EURといった具合である。プリシュティナで1泊した。ドミトリーは8 EURだった。
プリシュティナ(コソボ)~ベオグラード(セルビア)3,264円/10時間
コソボからセルビアへ国境を超えることはできなかった。スコピエへ5 EURのバスで戻り、1,300 MKD支払ってベオグラードへ向かったとある。1 MKD = 2.03円として2,639円と625円で3,264円。お昼まえにプリシュティナを出発し到着したのは21時を超えていた。ドミトリーは10 EURであったと記録がある。
ベオグラード(セルビア)~サラエボ(ボスニア・ヘルツェゴヴィナ)2,625円/7時間
Novi Sad方面のバスでサラエボへ向かう。平地を抜けボスニア・ヘルツェゴヴィナへ入るとのどかな山あいの風景が続く。羊を追う羊飼いが遠目に見える。サラエボにつく頃には霧がかかり雨が降り出していた。バス停には傘を持つ人たちが待っていた。
ボスニア・ヘルツェゴヴィナには兌換マルク(1 BAM = 63.9円)があるがバス停に両替所がなく道行く人にユーロと交換してもらったと書いてある。バス代はユーロ払いで21 EURであった。エスプレッソが1 BAM、ピザ風のパンは1.5 BAMという具合の物価。Tito 46というホテルへ宿泊。
サラエボ(ボスニア・ヘルツェゴヴィナ)~ドブロブニク(クロアチア)2,812円/6時間30分
魔女の宅急便のイメージの街としても知られるドブロブニク。サラエボからバスで44 BAMで移動。1 BAM =63.9円なので2,811.6円だが2,812円とする。クロアチアクーナ 1 HRK = 16.57円でドミトリーが1泊たったの65 HRKだったと記録がある。ピザ風のパンが10 HRK。
ドブロブニク(クロアチア)~スプリト(クロアチア)2,171円/5時間
8時のバスに乗り過ごし10時のバスへ乗ったと記録がある。15時にはスプリトへ到着。131 HRKなので2,170.67円だが2,171円とする。翌日のアンコナ行きMarco Polo号の客船の切符を購入してSplit Backpackers Hostelへ宿泊した。
スプリト(クロアチア)~アンコナ(イタリア)3,662円/11時間
最も安いデッキ席で221 HRKだったと記録がある。約3,662円。20:00に出航して予定通り翌朝7:00にアンコナへ到着。イタリアの朝の空気の中で飲むカプチーノは格別であった(1.5 EUR)。
アンコナ(イタリア)~ローマ(イタリア)2,125円/3時間30分
アンコナだけは経由都市の中で唯一宿泊していない。朝にアンコナへつき朝食を食べてそのまま列車でローマへ向かった。17 EURであったと記録がある。ローマ観光の後はナポリへ向かい、ポンペイ・サレルノを周遊してローマからジェノバへ向かった。1 EUR = 125円で2,125円。
ローマ(イタリア)~ジェノバ(イタリア)8,688円/6時間
ローマからLa Speziaへ列車で向かいチンクエ・テッレを観光。マナローラからジェノバ駅まで乗り継いだと記録がある。各チケット代を合計すると69.5 EURだったので8,687.5円でおよそ8,688円。
Rome (9:50) — La Spezia (13:50–14:10) — Manarola (14:20–17:40) — Genova (19:30)とメモ書きがあるので移動時間は6時間程度。
ジェノバ(イタリア)~ベルン(スイス)12,438円/5時間20分
16:10にミラノ経由のベルン行き列車に乗ったと記録がある。17:30頃にミラノへ、そのまま経由して21:30頃にベルンへ到着した。切符がないがネットで調べたところほぼ同じ時間帯の列車が99.5 EURだったので約12,438円とする。
ベルン(スイス)~ストラスブール(フランス)8,059円/2時間30分
ベルン、バーゼル、コルマールと乗り継ぎストラスブールまで。スイスには自国通貨のスイスフランがある。ベルン~バーゼルの39 CHFとバーゼルからコルマールの17 CHFの電車代を合算する。コルマールからストラスブールは12.3 EUR。1 CHF = 116.45円として計算すると合計で8,059円となる。
11:00にバーゼル行きのSBBへ乗車。12:21発のコルマールへ乗り換え13:05にコルマール到着。16:35から17:00の列車でストラスブールへ行ったと書いてある。所要時間は2時間30分ほど。
ストラスブール(フランス)~パリ(フランス)3,788円/3時間10分
この区間では途中ランスへ立ち寄りヴーヴ・クリコの見学をしたとある。列車でStrasbourg~Champagne-ardenne~Parisと移動した。合計金額は30.3 EURだったので3,787.5円だが3,788円とする。パリは1週間ほど滞在し市内および郊外を観光。写真はポンデザール。
パリ(フランス)~ディジョン(フランス)7,750円/1時間30分
コート・ド・ニュイを訪ねるためにディジョンへ。ジュヴレ・シャンベルタン、シャンボール・ミュジニー、ヴォーヌ・ロマネ、ニュイ・サン・ジョルジュなどの村でワインを試飲。ロマネ・コンティは畑も見てみた。切符が残っていないので移動金額はネットで調べた平均である62 EURとする。7,750円。
ディジョン(フランス)~モンペリエ(フランス)12,025円/3時間50分
ディジョンからモンペリエを経由してスペインのバスクへ行くことにした。途中でアヴィニオンを観光。アヴィニオン教皇庁やオランジュなどへいく。ピカソのアヴィニオンの娘たちのアヴィニオンである。96.2 EURだったので12,025円。ディジョンからアヴィニオンが9:22~12:08の列車、15:40~16:45がアヴィニオンからモンペリエの列車とある。
モンペリエ(フランス)~バルセロナ(スペイン)10,088円/3時間10分
モンペリエからペルピニャンを経由してバルセロナへ。モンペリエからペルピニャンが13:50~15:40の列車、ペルピニャンからバルセロナは17:26~18:45の列車で移動。所要時間は約3時間10分。金額は10,087.5円だが10,088円とする。
バルセロナ(スペイン)~ビルバオ(スペイン)6,250円/8時間45分
スペイン国内の移動はほぼALSAというバス会社のバスで移動。切符の印字が見えなかったので手帳の記録を採用する。バルセロナからビルバオは8時間45分で50 EURとなる。6,250円。
ビルバオ(スペイン)~サンティアゴ・デ・コンポステラ(スペイン)8,125円/10時間50分
バスクを西へ進む。バスでサンティアゴ・デ・コンポステラへ移動。ALSAのバスで65 EURなので8,125円。
サンティアゴ・デ・コンポステラ(スペイン)~ポルト(ポルトガル)4,125円/4時間30分
最後の国であるポルトガルへ入国。33 EURでポルトまで行く。4,125円。ポートワインのサンデマンの見学ツアーへ参加したと記録がある。
ポルト(ポルトガル)~リスボン(ポルトガル)2,500円/3時間30分
20 EURのバスでリスボンまで移動。2,500円。レストランやバーから漏れ聞こえるファドが異国情緒をかきたてる。フランスやスペインと違って牧歌的な雰囲気のあるポルトガル。壇 一雄のサンタ・クルスへは行かなかった。
リスボン(ポルトガル)~カスカイス(ポルトガル)681円/45分
リスボンからカスカイスへは電車で片道2.25 EUR。カスカイスからシントラ行きのバスへ乗り途中下車するとロカ岬へ行くことができる。バスが3.2 EURなので合計して5.45 EUR。681.25円だが681円とする。
合計時間と金額
旅行の行程で記載している各区間の合計です。金額については各区間ごとに計算し日本円に換算してあります。
合計時間: 627時間40分、26日ほど
合計金額: 318,151円
なんと元ネタと合計金額はそれほど変わりないようです。ロシア・シベリアルートの方が圧倒的に安いはずと思っていたのでこれは意外な結果です。移動時間だけだとこちらも思っていたほどはかかっていない印象。ただし旅にかかった総時間という意味では1年以上かかっています。
1万7000kmの移動にかかる時間は合計327時間、13日半ほどです。費用は2000ドル(約21万2000円)ほどですが、ファーストクラスを利用すると3400ドル(約36万円)ほどかかる見込みとなっています。
以上です。